2013年8月9日金曜日

実りしもの。

2011年、実家に戻ってから毎年8月、
通う場所がある。

愛知県豊明市のぶどう農園「ツィプレッセン」さんである。

独自の研究により、減農薬によるぶどうの栽培を試みている。

彼の眼差しはいつも眩しい。

かっこいいから、流行りだから、無農薬。そんな簡単にはいかない。

365日記録の日々。
一生をかけて実りしものを探求する。

過去の記録の積み重ねが、彼に閃きと挑戦と、かすかな希望を与える。

わたしがお菓子作りをはじめた時、一番に師匠に教わったこと。「お菓子は素材が60パーセントよ。」彼女のポリシーだ。一般家庭で使用するもの、いや、その後で勤めたどこよりも、彼女の素材へのこだわりは強かった。その素材はまず市場には出回らない、希少で固有なものであったからだ。

その影響は、お菓子づくりに留まらず、好きになったモノが生まれる現場や、そのものづくりの人に会いに足を運ぶわたしの小さなポリシーとなった。

現場には、そこにしかない確かなものがある。リアルと幻想。モノに託された、その記憶をリレーしたいと思うようになったのだ。

そしてまた、今日も西へ東へ
次の実りしものに会いにいく。


harumi

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